6月2日(火)に放送された『国際報道2026』(NHK)にて、Education 4 Gazaが支援するワタン学校の取り組み、学校に通う1人の女の子が紹介されました。
子どもたちにとって、ワタン学校が心の傷を癒す大切な場になっていること、アブデルハリムさんや先生たちの想い、戦争にさらされた12歳の女の子の生活と心に抱える苦しみ、、、10分に渡る非常に内容の濃い放送でした。
BSでご覧いただいた皆さま、ありがとうございました。
テレビの画面で見るワタン学校、子どもたちの姿は写真や動画よりよりリアルに感じ、彼らの生きる現実、そして日本のEducation 4 Gazaの支援が直接ここに繋がっていることをより実感することができました。
残念ながら、3日未明の台風のため地上波放送が流れてしまったため、NHK ONEでの見逃し配信も行われていません。そのため、より多くの方に内容をお伝えしたく、順を追って内容を書き起こしました。ガザからの声、伝われば幸いです。
« 子どもの心を守る » 教育現場の戦い
ガザ地区南部のマワシはかつては農地が点在する人口9000人ほどの地区、戦闘以降、避難する人で一時は人口が100万人にも。現在もテントが密集する過密な生活環境です。

(ハリール先生)
これから絵や文章で、自分たちの感情を表現する授業を行います。
表現は人が抑圧してきた感情を解放して、正しい道を歩む助けとなります。
だから私はいつも「自分の感情を吐き出しなさい」と教えているのです。
思い思いに描く子どもたち、自作の詩を朗読する子も。

かつてガザの海は毎朝 希望をささやいていた
しかし今では 波はうめきをあげている
まるで戦争で疲れ切った街を弔うかのように


大きな瞳からあふれる涙。この絵を描いたのはマラム・ラッハームさん (12歳)
ガザはいつも悲しくて、痛みから泣いているの。
(ハリール先生)
初めて会った時、マラムさんの心は深く傷ついていて、その気持ちをどう表現すればいいのかも分からずにいました。

マラムさんの日課は、約4リットルの水を運ぶこと。配給制で重労働。2年前 空爆で自宅を失って以来、両親・4人のきょうだいと避難生活を送り、食料はすべて配給頼みです。


マラムさんを何より苦しめたのは、親友を空爆で失ったこと。


(マラムさん)
この人形はずっと私と一緒。 親友はこの人形が大好きだったから、私は今でももっているの。
彼女はこの人形をくれた2日後に亡くなったの。
彼女を失ってから安心できる日はなく、爆撃で死ぬかもしれないといつも感じている。

(マラムさんの母親)
子どもたちの人生は「恐怖」だけになってしまいました。
小さかったはずの子どもたちが、突然 大人になってしまったように感じます。


(マラムさん)
学校に通うようになる前、私は ひとりぼっちだと感じていた。
でも学校に行くようになって、私を支えてくれる人がいると感じられた。
絵を描くことは楽しいし、暗い気持ちも少しずつ発散できる気がする。

(ハリール先生)
子どもたちは教育や遊びの機会、子どもらしく生きることを奪われました。
戦時下で育った子どもたちが奪われたものを、補いたいのです。

パレスチナの人々にとって教育は単なる学びではなく、占領に対して抵抗する武器であり、また権利を回復するための土台。
子どもたちは歴史や文化を学び、英語や論理的思考を身につけることによって、世界に対して訴える力を身に付けるのです。 (ワタン学校責任者・アブデルハリム・アブサムラさん)

『国際報道2026』(NHK)2026年6月2日(火)放送
「私たちのあしたは ~ガザ難民キャンプの学級日誌~」
https://www.web.nhk/tv/an/kokusaihoudou/pl/series-tep-8M689W8RVX/ep/6JM6RPL1NV